☑高校教育改革「改革先導拠点」の採択
このたび本校は、文部科学省が推進する高校教育改革の「改革先導拠点」に採択されました。令和8年6月30日現在、全国で75校(農業科としては14校)、茨城県内の高校としては唯一の採択となります。全国における採択学科は現時点で、普通科、総合学科、理数科、農業科、工業科、商業科、水産科、看護科、家庭科にわたります。
今回の採択は、明治28年の創立以来、一貫して実践的かつ科学的な農業教育とともに、時代に即した寮教育を実施し、本県のみならず日本の農業教育の中核として各界に多くの人材を輩出し続けてきた本校の取り組みが高く評価された結果であると受け止めております。
あらためまして、地域の皆さま、同窓生の皆さま、PTAの皆さま、そして生徒たちに心より感謝申し上げます。
☑「N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール」とは
文部科学省は令和8年2月13日、高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)として「2040年に向けた『N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想』」(New Education, New Excellence, New Transformation of High Schools)を発表しました。
■背景
我が国では、2040年にかけて少子高齢化、生産年齢人口の減少、地方の過疎化が一層深刻化すると見込まれています。2040年の就業構造の変化の推計によると、職種による労働力需給ギャップや、産業界のニーズに応じた理系人材の不足が課題として指摘されています。
■3つの視点
こうした背景を踏まえ、次の3つの視点を重視しながら高校教育改革を一層進め、高校から大学・大学院に至る一貫した改革により、強い経済や地域社会の基盤となる人材を育成することとしています。
視点1:不確実な時代を自立して生きていく主権者として、AIに代替されない能力や個性の伸長(New Transformation「学びの在り方の転換」)
視点2:我が国や地域の経済・社会の発展を支える人材育成(New Excellence「最先端を学ぶ高校の特色化・魅力化」)
視点3:一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保(New Education「学ぶ機会・アクセスの確保」)
■3つの類型
その上で、文部科学省では、2040年に向けた人材創出のため「改革先導拠点」を次の3つの類型に分けて指定しています。
類型1:アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援
類型2:理数系人材育成支援
類型3:多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保
水戸農業高校は「類型1(アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援)」において採択されました。(本年度から3年間で最大約19億2千万円の補助が受けられます⇒https://www.mext.go.jp/content/20260629-mxt.kouhou02-000049080_01.pdf)
■目標
そして、類型1に関連し、文部科学省では職業教育の高度化・魅力の強化関係において、2040年までに「100%の専門高校において、地域産業界や大学等と連携した実践的な学びを年間通して実施すること」や「専門高校の魅力を高め、生徒数を現在と同水準に維持すること」を目標として掲げています。
☑「水戸農業高等学校 未来50年プロジェクト」事業の推進
本校では、PTAや同窓会、県教委などのご指導とご支援のもと、令和7年度より「水戸農業高等学校 未来50年プロジェクト~Cultivate your own new field of study 自らの新しい分野を開拓せよ~」事業を推進しております。
本事業は、昭和45年に水戸市からの全校移転を完了して以来培ってきた「近代的な農業経営者および関連産業技術者の育成」という理念を、50年先・100年先を見据えて継続・発展させるための取り組みです。探究的な学び、実践的な学び、そして心の成長、この3つの実現を目指しています。
■主な取組
〇探究的な学び(2年 / 定時制3年)
・「農業探究セミナー」
茨城大学、東京農業大学、酪農学園大学等と連携し、教科・横断的な学びに関連付けた授業を実施
〇実践的な学び(3年 / 定時制4年)
・「農業実践セミナー」
県立農大やJA等と連携し、より発展的かつ実践的な学びに関連付けた授業を実施
※農業探究セミナー・農業実践セミナーのねらい…将来の本県の農業(技術)者育成のため、大学等と連携し農業の専門的かつ高度な技術を習得するとともに、生徒の深い学びと実践的な学びの実現及び教員の指導力向上に資する。
〇心の成長(全学年)
・「豊かな人間性を育むワークショップ」
スクールカウンセラー等の専門家を招き、「自分を見つめる」「他者を理解する」ための演習を実施
※豊かな人間性を育むワークショップ等のねらい…生徒一人一人の個性を育むとともに、他者の主体性を尊重しながら自ら行動する力を培うため、専門性の高い指導者から指導・助言を受け生徒の望ましい成長や発達に資する。
■目標
〇全日制(280人)
・約140人:県庁やJA職員を含め、地域産業で活躍する人材を育成
・約140人:上級学校へ進学し、将来の地域リーダーとしての資質を兼ね備えた人材を育成(うち約70人は農学部を含む4年制大学、約70人は県立農大等の短大・専門学校へ進学)
〇定時制(40人)
・全日制と同様の目標を設定
☑結びに
創立から培ってきた実践的かつ科学的な農業教育の取り組みと、それを踏まえ構築した「水戸農業高等学校 未来50年プロジェクト」事業が、文部科学省の目指す高校教育改革の方向性と合致したことも、今回の採択につながったのではないかと考えております。
今後とも、地域の皆さまの期待に応えられるよう、魅力と活力にあふれる教育活動を行ってまいります。引き続きのご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和8年9月1日 校長 堤祐二
秋の収穫を待っています。
水農祭に向け種まきをしました。(ハクサイ、ブロッコリー、パンジー)
残暑が続きますが水農の森は涼しく感じます。
夏季実習の課題に取り組んでいます。