【第105回全国高等学校野球選手権茨城大会2回戦】 

水戸農業 3×6 水戸第一

投手:東ヶ崎(明光)、和田(大宮)、園部(城里常北) - 寺門(金砂郷)

 7月15日(土)、3年生の集大成である夏の大会に初戦を迎えました。相手は、県大会の常連校である水戸第一高校です。茨城県で一番古い学校と二番目に古い学校の古豪対決ということもあり、多くの関心を集め、当日はたくさんの観客の方々の中で試合を行うことができました。

 ゲームプランは、後攻を取り、まずしっかり守りを行ってから、自慢の攻撃陣で点数を取りに行こうと考えました。フライ処理がチーム一上手い、園部を打球が一番飛んでくるであろうレフトに配置し、フライを処理できるかが鍵だと話していました。選手には、6対4で勝つぞ!と話し、準備を進めてきました。

 試合は、東ヶ崎主将がじゃんけんで勝利し、後攻を取ることができました。不思議なもので、東ヶ崎は本当にじゃんけんが強いです。初回、右中間に強く吹く風に対応することができず、結果的に長打を許し、2点を先制されてしまいました。相手の先発はエースではありませんでしたが、これは想定内で慌てることなく対応し、すぐさま2点を返し良い流れになりました。東ヶ崎は、初回に失点をするとズルズルと点数を取られてしまうことがあり、2回以降不安でしたが、見事に立ち直り、素晴らしい投球を見せてくれました。その勢いそのままに2回の裏に逆転をし、3対2で試合を優位に進めました。守備も随所で良いプレーが生まれ、レフトの園部が難しいフライを全て拾ってくれ、期待に応えてくれました。

 5回、1死満塁のピンチを迎え、リリーフで和田が登板しました。1点でも少なく抑えてきてくれと送り出しましたが、2者を気迫の投球で打ち取り、無失点で切り抜けてくれました。和田は、一番叱った選手です。6月の水無月杯では、情けない投球をし、信頼を失いかけましたが、本当にこの1か月で逞しい信頼できるリリーバーになりました。試合中に泣くことはあってはならないと思っていましたが、この投球には、身体が震え、涙を堪えるのに必死でした。

 7回、何度も練習を重ねてきた、牽制でランナーを刺し、窮地を逃れましたが、その後連打を許し、逆転を許し、3対6で敗退となってしまいました。

 想定していたゲームプランを、逆に相手にされてしまったことはとても悔しいです。自慢の攻撃も、二番手で登板した左腕に完全にハマってしまい、追加点が奪えませんでした。組み合わせが決まってから、ずっと右投手対策をしてきて、左投手対策を全くしてこなかったことで、久々の軌道に選手を戸惑わせてしまった監督の責任です。また、本校はグランドの立地条件が良く、練習試合のほとんどをホームゲームで行っています。本校のグランドの風向きは常にアゲインストの向かい風です。しかし、ノーブルスタジアムは右中間にフォローの追い風が吹く球場で、外野手があまり経験のない打球に苦しんでしまい、そういった準備をさせてあげなかった所も反省です。

 この3年生は、多くのメンバーが去る中で、最後までやりきった気持ちの強い子どもたちで、戦力は大幅に落ちた中でも、ひたむきに努力を重ね、春は7年ぶりの県大会に導いてくれた代です。その選手たちに少しでも良い思いをさせてやりたいと準備しましたが、力が及びませんでした。しかし、最後に本当に逞しく、躍動する姿に胸が熱くなりました。

 日頃より水戸農業高校野球部を応援して下さり、心からお礼申し上げます。また、新チームを応援されるチームになれるよう努めていきます。