⚾第106回全国高等学校野球選手権茨城大会3回戦⚾

水戸農業 8×13 水戸葵陵

投手:小林永(水府中)、小林賢(城里城北中)、桜井(山方中:茨城シニア) - 寺門(金砂郷中)

 7月17日(水)、勝負の3回戦です。相手は、シードの水戸葵陵高校です。本校は、22年ぶりの4回戦進出、そしてその先のベスト8を目標に活動を続けてきました。つまり、この試合はまさに勝負の一戦です。今回も全校応援をして頂けることになり、メイン球場、最高の舞台で戦いを迎えられることとなりました。

 じゃんけんに主将の小瀧(城里城北中)が勝ち、先発投手の意見も参考に、予定通り後攻をとることができました。先発は、絶好調の小林永でした。組合せが決まってから、この水戸葵陵戦に備え、調整をし、さらに2回戦では、温存することができ、満を持しての登板です。初回に先制を許してしまいましたが、全く動じることなく淡々と自分の投球をしてくれました。すると4回裏、先頭の4番寺門が二塁打で出塁すると、荻津(内原中:水戸青藍舎ヤング)・山内(水戸第三中)の連続ヒットで逆転に成功し、なおも満塁から主砲田村(城里城北中)の3点三塁打で一挙5点を奪いました。5回表、疲れの見え始めた小林永が連続ヒットで2点を奪われ、なおもピンチの場面で、小林賢(城里城北中)が登板し、一球でピンチを防いでくれました。さすが県大会優勝投手です。6回裏、再び寺門・荻津の連続タイムリーで3点を奪い、試合を優位に進めます。相手投手が足を攣り、試合が中断すると、自軍選手がベンチから相手選手に声援を送っている姿もあり、高校野球連盟のFのマークに込められた、Friendship (友情)・Fairplay(公正健闘)・Fight(闘志)を体現する姿に胸が熱くなりました。8回表、小林賢の投球に対応し始めた相手打線に2点を奪われます。9回表、先頭をセカンドゴロに打ち取り、あとアウト2つで勝利の中、相手の執念が襲いかかりました。5連打を含むまさかの8失点。投手を代え、守備のタイムも使い切り、何とか食い止めようとしましたが、流れをとめることができませんでした。あの時、今振り返ると、何ができたのか、どうしてあと2つのアウトが取れなかったのか…悔しさばかりが残ります。

 勝てた試合でした。勝たせてあげなければいけない試合でした。しかし、アウトあと2つ。あと2つが本当に遠かったです。選手は一生懸命戦ってくれました。マネージャーでもベンチで大きな声を出し背中を押していました。ゲームプラン通り本当に懸命に立ち向かってくれました。とても格好良かったです。人数じゃない、18人で、何十人にも立ち向かうんだと。サッカーの皇帝ベッケンバウアー氏の言葉で「強いチームが勝つんじゃない、勝ったチームが強いんだ」と常々生徒には話をしています。あと一歩で「強いチーム」になれるところでした。破れはしましたが、格好良かったです。とても楽しいベンチでした。全校応援の雰囲気も、多くの方々から、「水農の応援凄くまとまっていて凄い迫力でしたね」と仰って頂きました。

 これで3年生の5名は引退です。選手、保護者、OB、応援してくださった生徒や教職員の皆さん、応援してくださった方々、差し入れをしてくださった方々、本当にありがとうございました。